Little Printer: février 2014アーカイブ

Little Printerについて、あれこれと書いてきたが、「とりあえずスマートフォンの画面が印刷できれば良い」と思っている方も多いのではないか。これは率直に言って同感である。BERG Cloudは、このデバイスを用いたPublicationのエコシステムを目論んでいるようだが、Web関連の技術に疎い全くの素人がいきなりコンテンツ配信をするのには、やや敷居が高いというのが実情だ。

そこで最後に、iOS系の端末から、写真や画像をクラウド経由でPush配信するアプリケーションについて紹介することにする。「Little Image Printer」という無料アプリケーションで、iPhoneやiPadなどで撮影した写真や、画面のキャプチャ画像を予め登録したLittle Printerに出力することができる。カラー画像であっても、自動的にディザリングをしたモノクロ画像に変換してくれる上に、出力前に明度やコントラストの調整ができるというすぐれものである。


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App Storeからのダウンロードとインストール、設定の方法は以下の通りだ。

前稿で説明した方法に基づいて、実際にPublicationを作ってみた。テキストエディタで公開テンプレートの設定ファイルを修正し、適当なアイコンとヘッダー・フッターの画像ファイル、コンテンツの画像/htmlファイルをアップロードするだけというお手軽さである。


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実際に出力してみると、上記のような具合になる。今回は、以下に紹介する二つのものを作ってみた。

Little Printer向けのコンテンツ配信方法について少々。

このデバイスが単なるサーマルプリンターではなく「クラウド連携型出版プラットフォーム」用の装置であることについては、前稿で紹介した通りだが、HTTPやPHPなどについての基本的知識とレンタルサーバー環境があれば、簡単な手順で誰でもコンテンツ配信が可能だ。

Berg Cloudのデベロッパーページ(英文)では、コンテンツ開発のために必要な情報やツールが公開されている。

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このページでは、開発に必要な基本情報やコンテンツのソースコード例、開発用のツールなどが提供されている。因みに開発には、PHP、Python、Rubyが利用できる。

コンテンツ作成・配信のためには、PHP 5.1以上がインストールされたサーバーにFTPでファイルをアップロードできる環境が必用だが、レンタルサーバー上で個人ホームページを開設していれば特に問題はないだろう。

開発手法の詳細については、上記サイトの解説に譲るとして、以下では既存のテンプレートを用いた静的なコンテンツの作成について概要を紹介する。


前稿で概要を紹介したLittle Printerについて。

これがスマートフォン対応のハンディプリンターとは似て非なるものであることは既に述べた。繰り返すが、スマートフォンやタブレットなどと直接データをやりとりする機能は一切備えていない。あらゆるタスクは、製造販売元の英BERG社のクラウド経由で実行される仕組みになっている。

それでは、どうしてこんな製品が評価されているのだろうか? 単なるプリンターとして見れば、コンビニやスーパーのレシートのようなペナペナの感熱紙にモノクロのコンテンツが印刷されて出てくるだけの代物だ。原産地の英国はともかく、今どきの日本で、こんなスペックのものがプリンターとして評価されるとは思えない。

だが前述のように、この製品はプリンターではないのである。実はこの製品というかクラウドサービスは、「ミニマム出版プラットフォーム」とでも呼ぶべき性格を備えているのだ。


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以前から気になっていたBERGの「Little Printer」が、ようやく日本からもオーダーできるようになった。国際宅急便の送料が少々高めだったが、注文後一週間ほどで手元に届いた。
 

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因みにこれが何なのかについては、以下のムービーを見るとなんとなくわかったような気にさせられる。

 

とはいえ、これだけでは製品の持っている意味の半分も理解したことにはならない。Webでの紹介記事を鵜呑みにして「スマートフォンから印刷ができるサーマルプリンター」だと思っていると、その予想は見事に裏切られることになる。


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