MAYDAY RESISTANCE

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ADICTの「MAYDAY RESISTANCE」。エンドクレジットの国際電話番号から察するに、ドイツのチームらしい。1992年の作品だが、当時としては、出色の出来であった。中世の黒ミサを想起させるような妖しげな呪文が唱えられるBGM、激しい明滅を繰り返す「ゾンビ」のガスマスクを装着した人物のシルエット、「CONTINENTAL TECK DANCE」というテキストと共に表示される抽象化された人物像、これらが相まって何とも名状しがたい不気味さを感じさせられる。

最後の方で表示されるザラついた映像の中の「Moment of Terror is the Beginning of Life」というテキストは、ベルギーのテクノバンド「Front 242」のアルバム「Front By Front」に由来するものだが、実はこれ、このデモの公開当時、ヨーロッパで猛威をふるっていたコンピュータウィルス「tremor」がPCの画面に表示するテキストでもあった。感染したPCは、ある条件が揃うと「T.R.E.M.O.R. was done by NEUROBASHER /May-June '92, Germany, MOMENT OF TERROR IS THE BEGINNING OF LIFE」という文字列を画面に表示した(らしい)。

面白いのは、このウィルス、ドイツのCATV会社が提供するプログラムに紛れて感染を広げたことだ。感染してもすぐには発症せず、ウィルスチェックソフトの裏をかくようなステルス性があったため、当時の主要な可搬型記憶媒体であったFDを介してゆっくりとではあるが、ジワジワと感染を拡大していったそうだ。

確かに、当時AMIGAのメガデモの入手は、専らFDだったし、PCのアプリケーションも、FDの形で販売されていた。今から思い返すと牧歌的な時代だった。


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