Man Ray展(PX70)

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先週末に国立新美術館で開催されている「マン・レイ展」を見に行ってきた。猛暑の土曜日の開館直後だったが、会場には、若い人たちを中心にかなりの観客が入場していた。ここでマン・レイについていらずもがなの薀蓄を傾ける気はないが、会場を出た後、PX70の最後のワンパックで撮影した最後の一枚がこの写真だ。遮光シェードの設定ミスでフィルムが正常に排出されず上記のような結果となった。

フィルムが詰まってしまったので、リュックサックの中でSX-70のフィルムドアを開けてパックを少し引き出した後、再装填するとこのラストワンショットが排出された。下部余白の左右にあるペアのドットは、フィルム送出ギアが途中で止まったためにできた傷である。

遮光材が感光面に行き渡らなかったのと、現像液が上部中央まで浸透しなかったために、このような奇妙な結果となった。因みに椅子の上に置いてあるのは、同展で販売されていたマン・レイの写真を用いた2011年のカレンダーである。

通常の感覚からすると明らかに失敗だが、個人的には気に入っている。というか偶然、意想外の結果が得られたという感じだ。それが、マン・レイの展覧会場の美術館でのショットだったということに奇妙なシンクロニシティを感じてしまった。

マン・レイは、レイヨグラフやソラリゼーションという特殊効果を、暗室作業の偶然の中で発見し、それを自らの創作に活かしたことで知られている。大袈裟かもしれないが、PX70の最後の一枚を撮影する時に、彼が遭遇したのと同じ偶然が、この予見不可能な結果を生み出したのではないか。

因みに、PX70では6パック48枚を撮影しているが、このような結果になったのは、この最後の一枚だけであった。PX70FFというフィルムの未完成な部分と、撮影時の不具合がこの偶然的な結果を生み出したのだと思うとなんとなく因縁話めいた気分にさせられる。

聞くところによるとPX70FFは、近いうちにバージョンアップされるとのこと。当面は、このフィルムでの撮影は行わず、手元に保存されている旧ポラロイドフィルムを使うことにする。現行製品のクセや問題点が概ね把握できたと感じているからである。

最後に当日、撮影したショットを数枚掲載しておく。


20100904a.jpg快晴の空も、PX70だとこの通り。猛暑なのに涼しげな感じだ。ここまではっきりとした発色を得るまでに四日間、フィルムを寝かせる必要があった。


20100904b.jpg美術館の入り口の吹き抜け。彩度が低いこともあって、まるで夢の中のようだ。


20100904c.jpgこの逆円錐台状の構造物の上面は、フレンチレストランとなっている。久し振りに昼食は、フランス料理でもと思ったのだが、あいにく満席だった。


20100904d.jpg一階部分を見下ろすと、カフェテリアの丸テーブルが並んでいる。フレンチは諦めて、ここでハイネケンを飲みながら、サンドウィッチの昼食をとった。


20100904e.jpg屋上庭園から見上げた空には、白い雲が浮かんでいた。猛暑の夏の写真とは思えない季節感のなさが面白い。

最後に、同展は来週の月曜日(2010/9/13)までなので、興味のある方は是非。写真だけではなく、ドローイングの展示や映画の上映もなされている。とりわけマン・レイの映画を、これだけまとめて観る機会は、そうそうないと思われるので、貴重な展覧会だ。


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