PX680FF

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PX680が5/5に正式発売された。Impossibleのネットショップでは、即日完売となり、入手し損ねてしまったが、幸い某ショップに在庫があったので、5/9の夜には手に入れることができた。という訳で、早速いつもの被写体と光源で試写。

[PX680正式版]
20110509s.jpg
以下に示す、限定発売されたβ2とは、かなり異なる描写だ。


[PX680β2]
20110329as.jpg
比較すると一目瞭然だが、コントラストと解像度については、β2バージョンの方が明らかに高い。しかし彩度についてはβ2は、やや過剰で不自然な印象を受ける。光源がクリプトン電球で黄色みがかっているので、発色の自然さについて比較することは困難だが、個人的には、正式版の方が、ナチュラルなように思われる。

特筆すべきは現像ムラで、正式版の方が、ムラが多く、粒状性が低い印象だ。上記の写真は、撮影後5日ほど経過してスキャンしたものだが、それでも背景の暗部にボツボツとしたムラが残っている。発色に要する時間もβ2よりも長く、最低3日は経過しないと色調が安定しない。

β2が、コントラストが高く、硬調な写りなのに対して、正式版は比較的軟調で、コントラストが高い被写体でも自然な描写を示すようだ。(自然光での作例については、色調が安定した段階で、スキャンして別途紹介する)


[PX70 Push!]
20101110a.jpg
こうして比較してみると、PX70 Push! というのは、コントラストが低く眠い描写だったことがよくわかる。このフィルムの評判が芳しくなかったのも頷ける。


[PX70FF]
20100822-7.jpgしかし、昨年の8月に撮影した上記のPX70FFのショットを見ると、この一年足らずの間に、よくもこれだけの進歩を遂げたものだと驚かされる。

Impossibleは、今回のPX680正式版を一応のゴールと考えているようで、PIONEER CARD PROGRAMの新規受付は完了したようだが、まだまだ改善して欲しい部分は多い。

何と言っても、撮影後の遮光の問題は、一日も早く解決して欲しいものだ。たまにTZ-Artisticを使うと、遮光に気を遣わなくても良いというのは大変なメリットだと思う。

また、発色に要する時間も短縮して欲しい。現状のPX680FFは、それなりの発色をするが、色調が安定するまでに数日を要する。また現像ムラも顕著で、最低でも3日程度寝かさないと安定した描写にはならない。

現在の正式版はFFなので、これからどのような改良が加えられるかが楽しみである。

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