エージングと保管条件(PX680)

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PX680の外箱に、各国語で記載された説明の日本語のところを読むと、「フィルムは涼しい乾燥した20℃以下の場所に保管してください」とある。また、「このフィルムは現像の際、撮影時の温度、エージング(製造されてから撮影されるまでの期間)、.....によって影響を受けやすい化学反応を示します。」とも書かれている。つまり、「購入したら冷蔵庫の野菜入れに格納して、できるだけ早く使うこと」という趣旨のようだ。

ところが、ここに天の邪鬼な消費者がいて、初夏に購入したフィルムを夏の猛暑の間も室温で放置して、今頃になって使ってみるという「暴挙」をおかしてみたので、その結果を掲載しておくことにする。


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夏の猛暑で、フィルムのシートが固着してしまったのか、右上部分は現像液が行き渡っていない。全体的に何とも言い難い不思議な発色をしている。この傾向は、他のショットでも同一だ。


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これは、フィルムのロット固有の問題なのかもしれないが、中央と両脇とで明かに現像ムラが発生している。因みに、製造されたのは今年の3月らしい。ありふれた郵便ポストもミニマルアートのようだ。


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工事現場の前に置かれた赤いコーンも、この通り。白日夢めいた印象である。


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全体にイエローとマゼンタが強い。反対にブルー系はほとんど再現されない。


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したがって、快晴の青空もこの通りである。

という訳で、PXフィルムは「生もの」であるということを改めて認識させられた。

なお、買ったフィルムを置き忘れていただけなので、こうした結果となったのは、全くの自己責任であることをお断りしておく。個人的には、これはこれで面白いと思うのだが...。

あとワンパック、同様の条件で保管されていたものがあるので、近日中に試してみることにしたい。


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