Polaroid Big Shotにストロボをシンクロさせてみた

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Big Shotは、ピールアパートフィルムを利用するポートレート専用のカメラである。以前の記事に書いたが、このカメラは露出もシャッター速度も合焦距離も総て固定されており、カラー撮影には必ずMagicubeという専用フラッシュバルブを用いなければならない。 

ところが、このMagicubeは、製造・販売が終了して久しく、流通在庫として出回っているものを入手しても経年劣化のため発光しないケースがしばしば見受けられる。キューブ一個で四回の発光が可能だが、実際には二回程度しか発光しないことが多い。

そこでMagicubeの代わりに、通常のストロボを装着してみることにした。同期さえ取れれば、一枚ごとのコストも低く抑えられ、発光失敗の恐れもない。なにより、Fujiの互換フィルムがあっても、Magicube が無くなったので撮影できないという問題が解決される。

しかし数あるPolaroidカメラの中でもBig Shotは特異な存在で、ストロボのシンクロコードを直接接続することができない。これは、Magicube の構造が通常のFlash Cube とは異なるからだ。

見かけは同じように見えるMagicubeとFlash Cubeだが、Magicube には電気的接点が全くない。このフラッシュは、カメラ側から飛び出すノブの力で内蔵された着火機構をメカニカルに起動させる仕組みになっているからである。因みに、同じパックフィルムを利用する他のPolaroidカメラは、Flash Cubeを採用しているものがほとんどなので、純正のアダプタ(STROBE ADAPTER NO.169)を介することにより、ストロボのシンクロケーブルを接続することが可能だ。

シャッターを切る際にフラッシュソケットの脇から飛び出すノブは、フラッシュ内部の燃焼剤に着火するトリガーとなっている。燃焼が開始されたされたフラッシュは、最高照度に到達するまでには若干のタイムラグがあるため、Big Shot のシャッターはその時間差を考慮して全開となるように設計されている。

Magicube の代わりにストロボを使う場合、このタイムラグが問題となる。ノブが飛び出した直後にストロボを発光させてしまうと、シャッターが十分に開ききらないうちにストロボの発光が終了してしまう。ストロボの発光時間は1/1000秒以下と短いからだ。

この問題を解決するためには、前記のタイムラグに見合った遅延を発生させる仕組みが必要となる。DIY的な解決方法は、例えば以下のようなものがWeb上で紹介されている。

http://unclear.livejournal.com/38635.html

上記の方法は、様々な部品を手造りで組み上げたもので、微妙なタイミング調整を行う必要がある上に、加工も厄介である。もう少しエレガントな方法があるのではないかと調べてみると、以下のようなアクセサリーを発見した。
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旧National(現Panasonic)のPW-110という製品である。これは、もともとMagicubeを用いる110カメラにストロボを装着するためのアクセサリーだ。Magicube 装着用ソケットに差し込むことができる形状をしており、カメラ側から飛び出すノブの動きを検出して、上記のタイムラグを見込んで、ストロボ発光のための電気信号を上面のホットシューに送る仕組みになっている。理屈の上では、これを用いればBig Shotにもストロボを装着することができるはずだ。

PW-110には、カメラに固定するためのプラスチック製のクランプが付いているが、まずこれを取り外す。軽く嵌合しているだけなので、壊さずに外すことが可能だ。
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次に、上面のホットシューに市販のアダプターを装着して、シンクロケーブルに接続できるようにする。ホットシューに直接ストロボを装着できれば良いのだが、PW-110をソケットに差し込んだだけではストロボを安定的に固定するだけの強度が得られないので、やむを得ずストロボは別途固定するようにした。また、Big Shotの前面には、大きなディフューザーがあるので、その影が出ないようにするためには、ストロボをカメラの先端部に取り付ける必要があるということもある。
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アダプターを装着したPW-110をBig ShotのMagicubeソケットに装着したところ。
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ストロボ本体は、パーマセルテープを用いてカメラ前面のディフューザーの上に固定し、シンクロケーブルで、PW-110上のアダプターと接続する。なお、ストロボはGN30前後のものがMagicubeと同等となる。今回はPanasonicのPE-28s(GN28)を利用した。なお、このストロボにはストロボ側のシンクロコネクタがピンジャック形式となっている専用のケーブル(PP-SA/P3)を使う必要がある。

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ストロボの接続が終わったら、撮影前にPW-110の赤いノブを操作して、インジケーターが緑表示になっているのを確認してからシャッターを切ること。インジケーターが赤の状態では発光しないので要注意。詳細については、マニュアルを参照。

屋内で撮影した結果は、以下の通りでMagicubeを用いて撮影したのと遜色ないものであった。PW-110は、今でも中古品がオークションなどに出回っているので、Big Shotをお持ちの方は、是非お試しを。

20101219munch500.jpg

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大変参考にありました。貴重な情報ありがとうございます。
オークションで出品があるのをゆっくりと待ちたいと思います。

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