紙テープ鑽孔装置と8ドットフォント(その3)

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紙テープ上には、ガイドホールを別にすると8個のホールをパンチすることができる。このため8x8ドットのフォントを用いた文字列のパンチが可能なのだが、ホール数により制約されているのはフォントの高さだけであり幅については、8ドット以上でもパンチすることが可能だ。そこで手元にあった16x8ドットのフォントでのパンチを試みた。

以下は、HP200LX 日本語化キットに同梱されている16x8ドットフォントを用いた出力のスキャン画像である。高さは8ドットだが幅が16ドットなので文字の横方向の解像度が高く視認性が格段に向上している。もっとも一文字あたりの紙テープの長さも2倍となるので少々不経済ではあるが。因みに、このフォントは横幅16ドットのうち15ドットを利用して文字パターンを定義している。1ドット分は文字間として残されているので出力時に文字を隣接して配置することができる。

HP200LX 日本語化キット同梱フォント

16x8ドットフォントとしては、恵梨沙フォントの横倍角版も存在する。もっともこちらはフォントの横方向のドット数を単純に倍にしただけのものなので文字の解像度は8x8ドット版と変わらない。昔日のワープロソフトで用いられた横倍角文字と同じボールド的な書体で視覚的インパクトがある。なおこのフォントは幅16ドットを総て用いて文字パターンが定義されているため、出力時には文字間を確保する必要がある。

恵梨沙フォントの横倍角版

さて倍角フォントとは反対に幅6ドットのフォントを用いた出力も行ってみた。Little Limitで公開されている 6×8ドット日本語フォント「k6x8」である。文字パターンは5x7ドットの範囲で定義されており実効上は幅5ドットとなっている。このため複雑な漢字の視認性に問題があるが意外と読み取ることができる。人間のパターン認識能力も捨てたものではない。なお本フォントにはゴシック体の「k6x8ゴシック」の他に非漢字部分を明朝風に改変した「k6x8明朝」がある。

k6x8ゴシック

k6x8明朝

パンチテキスト:Jean Cocteau, Cannes V(堀口大學 訳)

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